「学校でインフルエンザが流行っていて心配」
「子どもがインフルエンザに感染しても家族に移らないようにしたい」
「正しい感染対策がわからない」
このような不安や悩みを抱えている方はいませんか?
東京感染症情報センターの調査では、東京都のインフルエンザ感染者の60%以上を14才以下が占めているという統計がでています。(出典:東京感染症情報センター)
特に幼稚園や学校などではウイルスがまん延しやすいため、対策をしながら安全に過ごして欲しいですよね。
そこで本記事では現役看護師の筆者が、
- 子どものインフルエンザの感染経路と症状
- 子どものインフルエンザの感染対策8選
- 子どもが感染しても家族に移さない6つの対策
についてご紹介します。インフルエンザから子どもや家族を守りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
※主に未就学児から小学生が対象です!
子どものインフルエンザはなぜ移りやすい?2つの感染経路について詳しく解説

インフルエンザの感染経路には、飛沫感染(空中に飛んだ細かい唾液を吸い込む)と接触感染(共有物などを触る)があります。子どもはなぜインフルエンザにかかりやすいのか?感染経路を学んで対策していきましょう。
1.飛沫感染(空気中に飛んだ細かい唾液を吸い込む)
まずは、空気中に飛ぶ細かい唾液を吸い込むことで移る「飛沫感染」です。
飛沫感染を予防するためには正しいマスクの着用が重要ですが、子どもはマスクを上手に付けるのが難しいため、飛沫を防ぎきれない場合が多くあります。
- くしゃみ
- 咳
- 会話
など、飛沫は1~2m飛散するので、至近距離で感染者の咳やくしゃみを浴びると感染率が高くなります。
※正しいマスクの着け方はこちらです!
2.接触感染(共有物などを触る)
もう一つのインフルエンザの感染経路が「接触感染」です。
接触感染を防ぐには手をきれいに保つことが重要ですが、子どもは正しい手洗いや消毒方法を理解するのが難しく、手に付いたウイルスが体内に侵入しやすい傾向にあります。
そのため、インフルエンザウイルスが付着した、
- おもちゃ
- ゲーム機
- 親のスマホ
などに触り、その手で物を食べたり、目を擦ったりすることで感染します。
※正しい手洗い方法はこちらです!
※正しい手指消毒方法はこちらです!
子どものインフルエンザの症状について解説

子どもがインフルエンザに感染すると、頭痛や腹痛などさまざまな症状が現れる場合があります。
また、子どもは免疫力が低いため、肺炎や脳炎(脳が炎症を起こし、けいれん、反応が鈍いなどの症状が現れる)を併発し、重症化するおそれがあるので注意が必要です。
以下に、子どものインフルエンザで起こりえる症状をまとめたので、複数当てはまる場合は医師の診察を受けてみてください。
※重症化を予防する方法はこちらです!
子どものインフルエンザの感染対策8選

子どもをインフルエンザから守るには、大人のサポートが必要不可欠です。子どもと一緒に対策を学び、安全に過ごせるようにしましょう。
- 正しく手洗いをして手をきれいに保つ
- 手洗いができない時は手指のアルコール消毒をして除菌する
- バランスの良い食事をとって免疫力を高める
- 十分な睡眠で疲れをとって免疫力を高める
- おもちゃは種類に合った方法で消毒する
- 温度と湿度を適切に管理する
- こまめに換気をしてウイルスを排除する
- 流行前に予防接種をして感染や重症化を防ぐ
1.正しく手洗いをして手をきれいに保つ
インフルエンザの予防には正しい手洗いが重要です。手を介して口や目からウイルスが入るのを防ぐため、しっかり手を洗い除菌しましょう。
流水で15秒手洗いをするとウイルスは1/100に、ハンドソープで10秒洗った後に15秒すすぐと1万分の1に減らせます。(出典:厚生労働省)
以下に「子どもが正しく手を洗うための方法」を紹介していますので、子どもと一緒に行ってみてください。
【子どもが正しく手を洗うための方法】
引用:看護roo!

このように、子どもに正しく手洗いをしてもらうためには、大人が環境を整えてあげることが大切です。子どもと一緒に楽しく取り組みましょう。
※接触感染の詳細はこちらです!
2.手洗いができない時は手指のアルコール消毒をして除菌する
手洗いと同様に重要なのが、アルコールによる正しい手の消毒です。水道がなく手が洗えない場合は、積極的に消毒をすることでウイルスを除菌できます。
15秒間正しく消毒すると、手についているインフルエンザウイルスは感染力を失うことがわかっています。(出典:市販手指消毒剤の15秒暴露によるウイルス不活化効果)
以下の「正しい手指消毒の方法」を参考にして、子どもと一緒に行ってみてください。

引用:厚生労働省
3.バランスの良い食事をとって免疫力を高める
インフルエンザ予防には、バランスの良い食事でしっかり栄養を摂り、免疫力を高めることが重要です。
特に以下の栄養素は免疫細胞の活性化が期待できるので、積極的に摂取することをおすすめします。
- タンパク質:免疫力を上げる抗体をつくる
(肉、魚、卵、豆腐などの大豆製品、チーズなどの乳製品など) - ビタミンA:粘膜を強化しウイルスの侵入を防ぐ
(ほうれん草、かぼちゃ、小松菜、うなぎ、レバー、人参、春菊など) - ビタミンC:抗ウイルス作用や抗菌作用がある
(キウイ、柿、いちご、ブロッコリー、パプリカ、キャベツ、ピーマンなど) - ビタミンE:細胞の酸化を防ぎ免疫を上げる
(アーモンド、ピーナッツ、胡麻、アボカドなど)
出典:国立病院機構
「バランスの良い食事」と聞くと難しく考えがちですが、一般的な主食、主菜、副菜で問題ありません。
食卓に免疫力を高める食材を取り入れ、インフルエンザに負けない体をつくりましょう。

免疫が活性化する食べ物には、人参やピーマンなどの子どもが苦手とされている野菜も含まれているので、好きなものから取り入れてみてください!
4.十分な睡眠で疲れをとって免疫力を高める
免疫力を高めてインフルエンザを予防するためには、十分な睡眠が欠かせません。
睡眠で免疫力がアップする理由は、
- 成長ホルモンが疲労を回復させる
- 交感神経と副交感神経がバランスよく保たれる
- 免疫細胞が活性する
などといわれています。
また、睡眠状態が悪いと、接種したワクチンの効果が弱くなる可能性も指摘されています。(出典:厚生労働省)
十分な免疫を獲得するためには、最低でも7~8時間の睡眠が必要です。子どもがなるべく早く眠れるように、環境を整えてあげましょう。
5.おもちゃは種類に合った方法で消毒する
子どもが使うおもちゃやゲーム機も感染源になるため、消毒や洗浄が必要です。特に共用するものは、清潔を保つように心がけましょう。
おもちゃの種類別の消毒方法は以下です。
- プラスチック製のものは1日1回アルコール消毒をする、または洗って天日干しにする
- 水洗いが難しいぬいぐるみや木製のおもちゃなどは、UV除菌(除菌・殺菌用の紫外線殺菌器)か1日1回アルコール消毒をする
- ゲーム機などの精密機械は、アルコールを柔らかい布に軽く含ませ拭く
子どもが安全に遊べるように、適切な消毒を心がけてください。

【物を消毒する時の注意点2つ】
6.温度と湿度を適切に管理する
インフルエンザの感染対策では、室内を適切な温度と湿度に保ちましょう。ウイルスは低温で乾燥している場所を好むため、温度と湿度を上げることで増殖を抑えられます。
以下の「インフルエンザウイルスの生存率」の図をご覧ください。
【インフルエンザウイルスの生存率】
出典:東京都感染症情報センター
このように室温を22℃以上、湿度を50%以上に調整するとウイルスの生存率は5%ほどとなり、感染のリスクがほぼ消失します。
なお、加湿器を設置しても適切な湿度に保つのが難しい場合は、急速加湿器を使用したり、適用床面積を確認して部屋の広さにあったものを選んだりするようにしてください。
特に乾燥している日は温度と湿度管理に留意し、ウイルスの感染力を抑えましょう。
7.こまめに換気をしてウイルスを排除する
インフルエンザウイルスを室内でまん延させないためには、こまめな換気が必要です。
換気を十分におこない新鮮な空気と入れ替えることで、室内に浮遊するウイルスを減らせます。
効果的な換気方法は、対角線上に窓やドアを開けて空気の通り道をつくることです。窓が1つしかない場合は、扇風機などを使って室内の空気を外へ出すようにすると良いでしょう。
なお、換気の頻度は30分~1時間に1回がおすすめです。時間の明確な定めはありませんが、窓を開けて5~10分、または部屋の中にいて少し寒くなってきたなと感じたら終了してください。
換気は室内のウイルスを排除するためには欠かせない対策です。特に、兄弟やお友達と室内で遊ぶときは、忘れずにおこないましょう。
8.流行前に予防接種をして感染や重症化を防ぐ
インフルエンザの感染や重症化を防ぐために、流行前に予防接種を行ってください。
予防接種の最大の効果は、脳炎や肺炎といった重症化を防ぐことです。ウイルスに感染しないというわけではありませんが、発症を防げる可能性があります。
厚生労働省の調査によると、6歳未満の子どもを対象とした研究では、ワクチンの接種でインフルエンザの発症を60%抑制できることがわかっています。(出典:厚生労働省)
このように、子どものインフルエンザの発症や重症化を防ぐためには、予防接種は有効な手段といえるでしょう。
なおワクチンの種類や接種時期などの詳細については、以下の表をご覧ください。
【インフルエンザの予防接種の種類・時期・回数】
| 注射 | 吸入(鼻) | ||
| 年齢 | 6ヵ月~12才 | 13才 | 2才~18才 |
| 回数 | 2回 | 1回 | 1回 |
| 時期 | 10月頃 11月頃 | 11月頃 | 10月頃 |
出典:厚生労働省
従来の注射タイプでは、12歳以下は2回、13歳以上は1回の接種が推奨されています。吸入タイプは2歳以上が対象ですが1回で済みます。
どちらが良いかは、主治医と相談しながら決めてみてください。
子どもがインフルエンザに感染!家族に移さないための6つの対策

子どもがインフルエンザに感染すると、家族内感染の確率が高くなります。子どもの感染が家族全員に広がったというケースも珍しくありません。
ここからは、子どもから家族への感染を防ぐための5つの対策を解説します。家庭での感染対策について学び、リスクを減らしましょう。
- 可能な限り生活スペースを分ける
- ゴミは密閉して捨てる
- 脱衣場やトイレなどの掃除を徹底する
- 看病する人を限定する
- タオルや食器などは共有しない
- 子どもに正しくマスクをつけてもらい飛沫が飛ばないようにする
1.可能な限り生活スペースを分ける
子どもがインフルエンザになったら、可能な限り生活スペースを分けて接触する回数を減らしましょう。
接触を少なくすることで、感染率を大幅に下げられます。
子供部屋などを感染者用の部屋として使い、トイレやお風呂以外は出ないようにしてもらうのが理想です。
子どもが小さくて部屋が分けられない場合は、
- 換気
- 加湿
- 消毒
- 掃除
などを徹底してください。

脳炎や肺炎を併発するおそれがあるので、熱が下がるまではこまめに様子を見に行ってください!
2.ゴミは密閉して捨てる
インフルエンザ感染者から出たゴミはふた付きのゴミ箱に捨て、捨てる際はビニール袋で密閉してください。
ゴミを密閉せずに置いておくと、捨てたゴミからウイルスが飛散したり、家族が誤ってゴミを触ったりして感染する可能性があります。
病院などでは感染ゴミは密閉されたゴミ箱に捨て、捨てる時以外は絶対にふたを開けないようにしています。
インフルエンザの感染を抑えるためには、ゴミの処理にも気を配りましょう。
3.脱衣場やトイレなどの掃除を徹底する
子どもがインフルエンザに感染したら、脱衣場やトイレなどを始め、共有スペースの掃除や消毒を徹底しましょう。
生活スペースを分けていたとしても、脱衣場やトイレは共有する場合が多いため感染リスクが高くなります。
子どもが小さくて生活スペースを分けられない場合は、一緒に過ごすリビングや寝室の掃除、消毒も普段より丁寧におこないましょう。
ウイルスは重力で床に落ちるため、掃除機掛けも忘れずにおこなってください。

浴室は高温多湿でインフルエンザが生存しにくい環境のため、通常通りの掃除で十分です!
4.看病する人を限定する
インフルエンザの子どもを看病する家族は、なるべく1人に限定しましょう。感染者と家族の接触が多ければ多いほど、感染する確率が高くなります。
なお、看病する人は以下の点に注意してください。
- 感染者の部屋の窓を開けて看病する
- 部屋に入る前にマスクとグローブを着用し、部屋を出た後にすぐに捨てて手を洗う(手が洗えなければ消毒をする)
- 可能なら使い捨てのビニールエプロンを付ける
インフルエンザは感染力が強いため、直接関わる人を極力少なくし、感染拡大のリスクを最小限に抑えることが重要です。
5.タオルや食器などはきちんと洗ってから共用する
感染した子どもが使ったタオルや食器などは、しっかり洗ってから共用すれば問題ありません。
インフルエンザウイルスは洗剤で死滅するため、洗った後であれば感染力を失います。
心配な場合は、
- 感染者が使う紙皿や割り箸、専用のタオルを準備する
- 感染者用の食器を洗うスポンジを準備する
- 感染者のタオルや服は他の人とは分けて洗濯する
などの方法をおすすめします。
食器やタオルなどをしっかり洗浄し、家族が安全に使えるようにしましょう。
6.子どもに正しくマスクをつけてもらい飛沫が飛ばないようにする
子どもがインフルエンザに感染、または感染が疑われる場合は、正しくマスクを付けてもらい飛沫の飛散を抑えることが大切です。
感染者は1回の咳で約10万個、1回のくしゃみで約200万個のウイルスを放出するため、感染者がマスクをつけないと周囲の人に移す確率が高くなります。(出典:自治医科大学)
以下が正しいマスクの装着方法です。決して難しくはないので、正しく付けられるように子どもと一緒に練習してみましょう。

引用:看護roo!
※飛沫感染の詳細はこちらです!
まとめ

子どもは正しく感染対策をするのが難しいため、インフルエンザに感染しやすいといえるでしょう。免疫力も低く、脳炎や肺炎などを起こし重症化する可能性もあります。
また、子どもの感染を防ぐためには、大人が正しい対策を教えるなどのサポートが不可欠です。
子どもと一緒にインフルエンザの感染対策を学んで、安全に過ごせるようにしましょう。

