1990年代、バスケ漫画は売れないという当時の常識を覆した一作「スラムダンク」。
作品の人気とともに全国でバスケ部員が急増し、一大ムーブメントを巻き起こしました。
筆者も子どもの頃に夢中で読んでいた、1番好きな漫画です。
あれから30年程が過ぎようとしていますが、いまだにスラムダンク以上に好きな漫画には出会えていません。
なぜスラムダンクはおもしろいのか⁉なぜこんなにも魅了されるのか⁉
本記事ではスラムダンクファン歴30年(自分よりスラムダンクが好きな人はこの世にいないと思っている)の筆者が、
- 主人公の桜木花道の能力
- ライバル・桜木と流川のキャラ設定と関係性
- 湘北高校の主要キャラ5人の魅力
- 感動シーンとおもしろギャグシーン
などについて、徹底的に解説します。ぜひ最後までお読みください。
筆者のスラムダンク愛♡について解説(読み飛ばしてOK!)

まず始めに、筆者がどれだけスラムダンクが好きなのか♡を解説します。「そんなの読みたくねーよ」という方は読み飛ばしていただいてOKです♡
など、とにかく大好き。スラムダンク以上の漫画は、後にも先にもないと断言します。
スラムダンクのあらすじをわかりやすく解説

作者は井上雄彦。1990年~1996年まで週刊少年ジャンプで連載していました。
湘北高校に入学した赤いリーゼントの不良・桜木花道は、一目惚れした同級生の美少女・晴子に誘われ、バスケ部へ入部します。
湘北バスケ部は毎年インターハイ予選1回戦負けの弱小チームで、大黒柱センター赤木のワンマンチーム。
そんな湘北に中学時代からの名プレイヤー流川が入部し、電光石火のポイントガード宮城が怪我から復帰。さらに、MVPシューター三井が2年のブランクを得てバスケ部へ戻ることに。
桜木はそんな仲間達と切磋琢磨し、長身と驚異の運動能力でバスケットマンへと花開いていきます。
素人の桜木が強力なチームメイトと共に全国制覇を目指す、青春バスケ漫画です。
桜木花道の2つの能力!愛されキャラと驚異の運動神経

- 万人に愛されるキャラクター性
- 桜木の能力!高身長と異次元の運動能力
1.万人に愛されるキャラクター性
スラムダンクを語る上で欠かせないのが、やはり主人公の「桜木花道」です。
桜木は赤いリーゼントの不良で(後に赤い坊主になる)一見怖い人物に見えるという欠点がありますが、性格は素直で単純なお調子者。
発言や行動も素でおもしろく、思わず笑ってしまうシーンが多数あります。
その上50人に交際を断られたという経歴を持つ、フラれ体質です。実際に桜木が一目惚れした晴子は、桜木を完全に友達としてしか見ていません。
このように桜木の外見と内面とのギャップや、数々の憎めない要素が作品のおもしろさにつながっています。
2.高身長と異次元の運動能力
スラムダンクは、スポーツ漫画にありがちな「小さい主人公が大きい敵を倒す」という構図ではありません。
189cmと長身で能力もある素人が、バスケットの才能を開花させていくという設定です。
「第1話 桜木君」(単行本1巻33ページ)で桜木がバスケットボールを片手で掴んで走り出し、ダンクをしようとして飛んだらバックボードに頭を打ってしまった
というシーンがあります。常人離れしたジャンプ力がないと、成しえない大技です。

(引用:SLAM DUNK 1巻33ページ)
「高身長と驚異の運動能力を兼ね備えた素人」が加速度的に成長していく。
そんな個性的なストーリーが、他のスポーツ漫画とは違う特別感を生んでいます。
スラムダンクがおもしろい最大の理由!桜木と流川の関係性について解説

- 桜木と流川の対象的なキャラクター設定
- 桜木と流川の関係性!実はお互いを認め合っている⁉
1.桜木と流川の対象的なキャラクター設定
同じ湘北高校の同級生でありながら、永遠のライバルである桜木と流川。
日頃から喧嘩ばかりしている2人ですが、彼らの衝突が作品を盛り上げる最大の要素といっても過言ではありません。
そんな2人の設定は、以下のように対極です。
- バスケは素人
- モテない
- うるさい
- 中学時代からバスケ部のエース
- 寡黙
- めっちゃモテる
- イケメンで桜木が好きな晴子の片思いの相手
このように、相反する2人の設定がお互いのキャラをより際立たせています。
また2人は同じチームで接点が多いため頻繁に(毎日?)喧嘩できた点も、作品を盛り上げた大きな要因です。
以下に、2人の喧嘩の一例を紹介します。
練習中に喧嘩をしてボールやボールカゴを投げ合っていたら、飛んできたカゴにゴリが入ってしまった。

(引用:SLAM DUNK 3巻47~48ページ)

これはまだ序の口。桜木はゴリに何度怒られたかわかりません!
2.桜木と流川の関係性!実はお互いを認め合っている⁉
普段は喧嘩ばかりしている2人ですが、内心はお互いを認め合っているのを感じとれる瞬間があります。
例えば、
翔陽戦(地区予選トーナメント決勝)でダンクを決めたが退場になってしまった桜木に、流川が「惜しかったな。てめーにしては」と声をかける。

(引用:SLAM DUNK 11巻154ページ)
豊玉戦(インターハイ1回戦)で流川が悪質なファウルをされた時に、桜木が怒ってベンチから飛び出した。

(引用:SLAM DUNK 23巻165ページ)
山王戦(スラムダンク最終章)で勝利を収めた瞬間のタッチ。

(引用:SLAM DUNK 31巻156~157ページ)
このように、要所要所で相手を想い行動する場面がある。その瞬間が作品の核となる部分で、最も心を揺さぶられるシーンです。
スラムダンクは、桜木と流川の物語です。
湘北の主要キャラクター5人の魅力的な長所と短所

桜木が所属する湘北高校バスケット部は、良い意味でくせ者ぞろい。
そんなチームの主要キャラ5人(桜木、流川、宮城、三井、赤木)には、読者を惹きつける長所と短所があります。
以下に解説したのでご覧ください。
- 桜木…バスケは素人だが高身長で運動能力が抜群に高い
- 流川…バスケの腕は確かだが体力がない
- 宮城…スピードとパスセンスは抜群だが身長がない
- 三井…中学MVPで3ポイントの名手だが、グレていたため2年のブランクがある
- 赤木(ゴリ)…県内トップクラスの実力者だがチームメイトに恵まれてこなかった
監督の安西先生が「君たちは強い」と言った訳。
キャラそれぞれの「強さと弱さ」が噛み合い、チームとして成長していく過程が作品のおもしろさに直結しています。
スラムダンク感動の名シーンと爆笑必至のギャグシーンを解説

- スタートダッシュで読者を引き込む展開へ
- 桜木と三井!感動の名シーンを紹介
- 爆笑必至のギャグシーンを紹介
1.スタートダッシュで読者を引き込む展開へ
スラムダンクは作品が始まってすぐに、次々とたたみかけるようにおもしろい展開がやってきます。
よって読者は知らず知らずのうちに、作品の世界にはまっていきます。
以下がそのストーリーです。
桜木は中学時代にフラれたヨーコさんがバスケット部の小田君が好きだったため、バスケが大嫌いになった。
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湘北高校に入学後、背後から「バスケットはお好きですか?」と声をかけられた。
振り向くと美少女・晴子の姿があった。
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桜木は晴子に一目ぼれした。
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晴子は桜木が嫌いなバスケットが大好きだった。
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2人は体育館に行き桜木はスラムダンクをしようとしたが、バックボードに頭を打つという驚異のジャンプ力を披露した。
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晴子にすすめられ、大嫌いだったバスケ部に入部(単純!)。
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晴子が流川に片思いしていることを知った。
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流川が上級生と喧嘩をして頭から流血。
それを見た晴子はひょんなことから桜木が殴ったと勘違いしてしまい、桜木に「大ッキライ!!!」と叫ぶ。
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桜木は落ちこむ。そこにバスケット部が使っていたバスケットボールが飛んできて、桜木の顔面を直撃。
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桜木はキレる。さらにバスケット部のキャプテン・ゴリが現れ、桜木はバスケットを玉入れ遊びと侮辱してしまう。
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ゴリはキレる。2人はバスケットで勝負することに。
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勝負中、桜木は転んだ拍子に誤ってゴリのズボンを下げてしまい、おしりが丸出しになってしまうというハプニングが起こる。
↓
桜木がスラムダンクを決め、一応ゴリに勝利。
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ゴリは、実は晴子の兄だった。
連載開始当時はバスケ漫画が売れない時代だった。
そこで井上先生はバスケ以外で読者の興味を引く要素を多数取り入れ、かつバスケではダンクというカッコいい技で見せ場を作り、読者の興味を引いたのではと推測しました。
2.桜木と三井!スラムダンク感動の名シーンを紹介
スラムダンクには、涙を誘う感動的なセリフや場面が多数あります。特に桜木と三井には、筆者も何度泣かされたかわかりません。
以下に2人の代表的な感動シーンをまとめたので、ご覧ください。
- 翔陽戦で決めた幻のダンク
- 海南戦(決勝リーグ初戦)で牧を吹っ飛ばしてダンクを決めワンスローをもらう
- 海南に負けた直後に号泣しゴリに慰めらる
- 綾南戦の最後に言った「センドーが狙ってくるぞ!」
- 山王戦の最後に決めたのがダンクではなくジャンプシュート
- バスケ部をつぶそうと殴りこんだ体育館で「安西先生、バスケがしたいです」
- 翔陽戦で怒涛の得点ラッシュでチームを勝利へ導いた
- 綾南戦(決勝リーグ最終戦)で倒れた後「なぜあんな無駄な時間を」と、泣きながら自分のグレていた過去を悔やむ
- 山王戦でフラフラになりながら3ポイントを決め続ける

他にも感動的なシーンはたくさんあります!
漫画を読みながら探してみてください!
3.爆笑必至のギャグシーンを紹介
スラムダンクはスポーツ漫画ですが、「ギャグ漫画?」と勘違いさせられるような爆笑必至のシーンが数多くあります。
原因はほぼ桜木です。
以下に桜木の代表的なお笑いシーンを集めましたので、ご覧ください。
- すぐに変なあだ名をつける
赤木➡ゴリ 流川➡キツネ 牧➡じい 安西先生➡おやじ 岸本➡ちょんまげ 河田弟➡丸男(まるお) 清田➡猿 野辺➡トーテムポール 南➡カリメロ 藤間➡補欠君(トップの実力者なのに) 魚住➡ボス猿 など - すぐに監督の安西先生をタプタプする
- 試合中にベンチでウロウロしてゴリに怒られる
- 綾南戦(地区予選最終戦)の最中、味方の流川でなく敵の仙道を応援する
- インターハイの時に泊まっていた旅館「ちどり荘」の電話に勝手にでる(客が宿泊予約などでかけてくる電話)←これ筆者の好きなシーン
- 先輩や監督を変なあだ名で呼んだり、タメ口だったりするのに、なぜか誰も本気で怒らない
- ゴリの家で赤点軍団(三井・宮城・桜木・流川)の勉強合宿をした時、寝ているゴリの顔にペンで落書きをする
- 集中力がなく、試合中によそ見をして顔面にボールが当たる

他のキャラで筆者の好きな爆笑シーンは、綾南戦(地区予選最終戦)の終了直後、ゴリと魚住(綾南のキャプテン)が互いの健闘を称えあい、抱き合って泣いている顔がゴリラと猿だったシーンです。
まとめ

スラムダンクは単なるスポーツ漫画ではありません。
個性豊かなキャラ達が織りなす人間ドラマを軸に、感動シーンあり、ギャグシーンあり。読者の心を掴む、さまざまな要素が盛り込まれています。
時代は変わっても、スラムダンクのおもしろさに変わりはありません。
今の子どもたちや若い世代にも、ぜひ読んでほしい漫画です。未読の人、絶対読んで!